親友

 真面目な話と言いましたが、体験記です!

 

 吹奏楽部に入り、寮の部屋も変わる時期になった。部活に入ると寮の部屋は部活で固められる。吹奏楽部の先輩たちはみんな優しかったので、楽しみで仕方がなかった。しかし、吹奏楽部の同級生の中ではまだ浮いた存在だった。通学生の人たちより、寮生の人たちの方が仲良くなるチャンスが多かった。同級生の吹奏楽部は約10人いて、その中で男子の寮生はぼくを含めて3人だった。ぼくは他の2人とは仲良くなれると思い、部屋が変わるのがすごく楽しみだった。寮の部屋は10人1部屋で、1人1つのロッカーが付いていた。ロッカーの前に布団を敷き寝るシステムになっている。

 

 先輩から優先的にロッカーの場所を決めていき、ぼくは同級生の1人とロッカーが隣同士になった。見た目は坊主で少しいかつい感じの人だった。コミュニケーション能力も高く、部活の同級生の中では中心的な人物でもあった。仲良くなれるか不安だったが、その子の方からどんどん喋りかけてくれた。高校入学以前の話や、寮の話、部活の話までいろいろ話した。すごく喋りやすく、話も合うことが多かった。隣で寝てるということもあり、毎晩語り続けてた。

 

 次第に恋愛の話もする仲になり、自分が不登校だったということも打ち明けられた。不登校だったどういうことは、先輩以外の人にはずっと伏せていたが、その同級生の子にはなんでも話せる気がした。部活が一緒でクラスも一緒ということもあり、常に一緒にいた。これが最高の出会いだった。学校生活や寮生活に希望が見えてきた瞬間だった。その子のおかげで、次第に友達が増えていった。周りの子にも言われるぐらい本当にずっと一緒にいた。親友を超えた存在でもあった。

 

 吹奏楽部にも慣れてきた頃、学校生活での1つの悩みがぼくを襲う。

 

ではまた明日。